今回は「プロダクトデザイン」という授業を紹介しましょう。
プロダクトデザインとは、プロダクト(生産されたモノ=製品)をデザインするということです。 製品とは、私たちが使っている生活用品や家電、
インテリア、大きなものになると自動車や飛行機など輸送機器まで立体物のあらゆるものがそれにあたります。
自動車のデザインまでするの?と思うかもしれませんが、いきなりそんな複雑なモノをデザインできるわけではありません。
これは、2年生が1学期の6月ごろに取り組んでいた課題、「にぎりやすい形」というものです。素材は断熱材などに使われるスタイロフォーム。
カッターや紙やすりで簡単に加工できるあつかいやすい素材です。まずはこのような「意図のある形」を作っていきます。
美術工芸科では陶芸などの工芸作品も作りますが、そういった一点モノの作品とはまた違ってきます。製品というのは量産されて出回ることを想定して設計され製造されるので、しっかりとした用途・意図を持たなくてはいけません。となると機能性や見た目、安全性や経済性など様々なことを考えて設計しなくてはいけないのですが、最初からすべてを考えるのは難しいのでその出だしというところです。
これは完成品を入れる箱を作って、それに納めた状態です。この後、三面図などの図法を理解し図面を描いていく授業になります。
美術工芸科は元々工芸科という名称だったことは以前に書いたと思いますが、その頃は「製図」という授業が3年間で6単位もありました。
三面図を描いたり透視図法や投影図法などずいぶん描いたものです。 それが今のプロダクトデザインにつながっています。(現在プロダクトデザインは2年次に2単位)
工芸科にコンピュータを導入したのも製図の授業で「CAD」というコンピュータで図面を描くのが主な目的でした。それが「3DCG」になり、設計したイスをモデリング、マッピングしてアニメーションを作るということをしていました。しかし3DCGはプロダクトデザインの範疇に納めるのではなく、もっと広い可能性があるということで3年前に「CG」という新しい授業ができました。
というわけで次回は「CG」を取り上げましょう。